朝ドラ『ばけばけ』で池脇千鶴が演じるフミ役を フネと言い間違え話題に。サザエさんのフネさんとの共通点や母親像の重なりを解説。
はじめに
2025年放送の連続テレビ小説『ばけばけ』で、池脇千鶴さんが演じる松野フミ。
試写会で池脇さん本人が、うっかり役名をフミではなくフネと言い間違えたエピソードが話題を呼びました。会場は笑いに包まれ、このエピソードが示す“役柄のイメージ”についても多くの人が関心を寄せています。
この言い間違いは単なるミスではなく、フミのキャラクター像が国民的アニメ『サザエさん』の母親 フネさんに重なる部分を意識していたことの表れともいわれています。昭和的な母親像と明治の母の姿が重なり合い、演技に深みを与えているのです。

池脇千鶴がフミをフネと言い間違え!
エピソードに隠された母親像の共通点とは?
9/8(月)、朝ドラ『#ばけばけ』第1週の記者試写会&会見が行われました。#髙石あかり さん、#トミー・バストウ さん、#吉沢亮 さん、#岡部たかし さん、#池脇千鶴 さんが登壇し、ドラマの見どころについて語りました。
— 朝ドラ「ばけばけ」公式|9月29日(月)放送開始 (@asadora_bk_nhk) September 8, 2025
ばけばけの放送は #9月29日スタート です! pic.twitter.com/Frwk95J2P9
言い間違えエピソードの舞台裏
試写会の場で池脇さんは、自身の役名 フミをフネと口にしてしまいました。観客や共演者からすぐに笑いが起こり、会場は和やかな雰囲気に。池脇さんも照れ笑いを浮かべながら フネさんみたいに家族を支える存在になりたいと思っているから、自然に出てしまったのかもと語りました。
これは、彼女がフミ役を演じるうえでの無意識的な投影であり、母親像としての普遍的イメージが頭に浮かんだ結果とも考えられます。



フミをフネと言い間違え!
会場は笑いと親近感で包まれた
松野フミというキャラクター
『ばけばけ』の松野フミは、主人公・松野トキの母親であり、実在の人物・小泉セツの養母 稲垣トミがモデルです。
出雲大社の上官の家に生まれ、神話や怪談話に精通していたとされる女性で、娘トキに多くの物語を語り聞かせました。そのため、怪談好きのトキの感性に大きな影響を与えた重要人物です。
また、家計を支えるために内職に励むしっかり者であり、時代の変化に戸惑いながらも家族を支える 明治の母。家庭の精神的支柱であり、文化的背景や神話への深い理解を持つ特異なキャラクター像が描かれています。



松野フミは“明治の母”を象徴する人物
神話や怪談に通じる独自の存在感
サザエさんのフネさんとの共通点
一方で『サザエさん』のフネさんは、昭和を代表する母親像。実直で温かく、時に厳しくも家族を思う言葉をかける姿は、長年にわたり日本の家庭像を象徴してきました。
フネさんの魅力は 包容力と庶民性。波平やサザエたちのドタバタを落ち着いた態度で見守り、ときにピシッと叱る姿は、昭和の理想的な母親像として親しまれてきました。七夕に家族の幸せを願うシーンなど、愛情深さを感じさせるエピソードも数多く存在します。



フネさんは“昭和の母”の象徴
温かさと厳しさを兼ね備えた存在
共通する母親像の本質
フミとフネさんは、時代背景こそ異なりますが、共通して 家族の支え手として描かれています。
- 家庭の中心で精神的支柱
フミは明治の家庭を支え、フネさんは昭和の家庭をまとめる存在。 - 包容力と温かさ
争いごとを和ませ、家族に安心感を与える点で共通。 - 実直で献身的
家族のために尽くし、日常の支えを担う姿勢も共通。
つまりフミは明治の母、フネさんは昭和の母として、それぞれの時代を象徴する理想的な母親像なのです。



フミ=明治の母、フネ=昭和の母
異なる時代でも共通する母親像
なぜ「フネ」と言い間違えたのか?
池脇さんが フネと言い間違えた背景には、こうした母親像の重なりがあります。
フミ役を演じる中で 家族を守る母という普遍的なイメージが意識に強く残り、国民的に浸透しているフネさんの名前が自然に出てしまったのでしょう。
観客にとっても、フミ=フネという言い間違いはむしろ親しみやすさを感じさせるものであり、演技に対する期待感をさらに高める効果を生みました。



言い間違いは“母親像の重なり”から
観客にも親しみやすさを与えた
まとめ
朝ドラ『ばけばけ』で池脇千鶴さんが演じる松野フミは、明治の母親像を体現したキャラクターです。試写会での フミとフネの言い間違いは、偶然ではなく、国民的母親像であるフネさんとの共通点を自然に感じ取った結果といえるでしょう。
時代は異なれど、母親としての落ち着き・包容力・献身的な姿勢は変わらず、両者に共通する普遍性があります。この重なりが視聴者に安心感や懐かしさを与え、『ばけばけ』の魅力をさらに高めているのです。



フミとフネは母親像でつながる
落ち着きと包容力が共通の魅力