はじめに:実話ベースの朝ドラと“町”の魅力
NHK朝ドラ『ばけばけ』は、明治期に日本文化を世界へ紹介した作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とその妻・小泉セツをモデルに据えた物語です。舞台となる島根県松江市ではドラマの約7割が撮影され、歴史的な社寺や宍道湖の風景が作品の情緒を色濃く彩ります。聖地巡礼や旅行の下調べとして、本稿では人物像と主要ロケ地を実用的にまとめました。

実在モデルの人間ドラマ+松江の風景が魅力。
撮影の約7割が松江市で行われ、観光と結びついた作品に。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)— 日本を愛し世界に伝えた作家
ラフカディオ・ハーンは1850年ギリシャ生まれ。アメリカで編集・執筆活動をした後、1890年に来日し日本の民話や怪談を英語で翻案して世界に紹介しました。1896年に日本へ帰化して小泉八雲の名を名乗り、東京帝国大学で教鞭をとるなど日本文化理解の橋渡しとして重要な足跡を残しています。



「雪女」「耳なし芳一」などの英訳で世界に知られる。
日本語の“tsunami(津波)”普及にも寄与した国際人
小泉セツ— 支えとなった語り部であり母であり続けた女性
小泉セツは1868年松江生まれ。若いころから外国人に物怖じしない素養があり、1891年に八雲のもとで住み込みとして働き、のちに結婚。夫の創作活動を陰で支え、再話の語り手としても重要な役割を果たしました。家庭では3男1女を育てつつ、文化継承の“架け橋”としての人生を全うしています。



夫の創作に不可欠な「語り」を担った女性。
明治の国際結婚を支えた強さと優しさが特徴。
ロケ地総覧 — 松江を中心に全国で撮影
『ばけばけ』は松江市中心にロケが集中していますが、室内や特定シーンは京都の松竹撮影所、滋賀(大津)や熊本などでも撮影が行われています。以下、主要なロケ地ごとに見どころ、アクセス(最寄り交通)、をまとめました。



松江が作品世界の“ほぼ本拠地”。
京都・滋賀・熊本も作品の背景として使用。
松江の屋外ロケ地(詳細)
松江城(国宝) — 城下町の情緒を感じる拠点
見どころ:城郭や城下の町並みが明治期の雰囲気づくりに最適。撮影チームも城周辺を多数使用しています。
アクセス:JR松江駅からバスまたは徒歩(駅から約20分、城周辺駐車場あり)。詳しい行き方は松江城公式案内を参照してください。



城周辺の石畳や堀川が、ドラマの時代感を演出。
駐車場やバス情報は公式案内で最新を確認。
八重垣神社 — 鏡の池と“縁結び”シーン
見どころ:鏡の池での縁占いシーンが有名。ドラマ内の恋愛場面や象徴的な演出で使われています。
アクセス:JR松江駅から市営バス(4番乗り場)で約20分、または車で約15分。駐車場あり。詳細は八重垣神社公式サイトへ。



縁結びの名所での撮影はファン必見。
社務所の時間が限られるので訪問時間は事前確認を。
城山稲荷神社 — 八雲ゆかりの社と狐像
見どころ:地元でも古くから信仰のある神社。八雲が好んだという石狐のある境内が印象的に撮られています。
アクセス:松江城から徒歩約7分。周辺の歴史地区散策と合わせて回れます。



城下町散歩の立ち寄りポイントに最適。
松江城から歩いて回れる距離感が便利。
宍道湖夕日スポット「とるぱ」 — 夕景の名所(撮影頻出)
見どころ:嫁ヶ島と沈む夕日を一緒に望める絶景スポット。夕日のシーンはドラマ映えする重要なロケーションです。
アクセス:住所は島根県松江市袖師町。駐車場・整備されたテラス有り。詳しい施設情報は観光案内に掲載されています。



夕方の撮影は光と影が美しくドラマチック。
駐車場があるので夕景鑑賞に便利。
カラコロ広場周辺 — 城下町の象徴的風景
見どころ:石壁や旧日本銀行の建物が並ぶ広場は、象徴的な市街地シーンに使われます。堀川遊覧との組み合わせで観光も充実。
アクセス:JR松江駅からバスで約8分、徒歩なら松江城から約7分。



街歩きでドラマの裏側を感じられるスポット。
堀川遊覧と組み合わせると効率よく回れる。
松江以外の撮影拠点(スタジオ・他県ロケ)
松竹撮影所(京都) — 室内・セット撮影の中核
ドラマの室内シーンや細密なセット撮影は京都・松竹撮影所でも実施。撮影所は太秦地域にあり、最寄り駅からのアクセスも良好です。スタジオ内は一般非公開のため、外観見学や周辺散策で雰囲気を楽しんでください。



大きな室内セットは京都の撮影所で製作。
一般公開は限定的なので事前情報を確認。
滋賀県(大津)・日吉大社/安楽律院 — 石橋・石段の情緒ある風景
一部の石橋や石段のシーンは滋賀・大津でも撮影。比叡山麓の歴史ある社寺が、物語の旅路や象徴的場面で使われています。アクセスや参拝時間は各施設の案内を確認してください。



山間の神社仏閣がドラマに深みを与える。
公共交通の便は場所により異なるので計画的に。
熊本県 — 八雲夫妻の転居地としてのロケ
史実どおり八雲夫妻が移り住んだ熊本でも一部撮影が行われています。現地のゆかりスポットを訪れることで、ドラマの“足跡”をたどれます。(詳細は撮影リリースや公式発表を参照)



熊本の史跡も作品世界を補完。
移動ルートを組むとより深い巡礼になる。
ロケ地の実用メモ(時間帯・所要日程・マナー)
- 時間帯:宍道湖の夕景は日没前後がベスト。神社は社務所の受付時間があるため午前~夕方の早い時間に回るのが 安心。
- 所要日程:松江市内中心の巡礼は1日~1.5日、京都・滋賀・熊本を含めると2〜3日の旅程がおすすめ。
- マナー:神社仏閣での撮影は参拝者の迷惑にならないこと。



写真撮影や参拝のマナーは厳守を。
夕景観賞は時間に余裕を持って行動を。
参考情報
主要情報は各公式・観光サイトを参照しています。最新の開館時間やバス時刻、駐車場情報は変わることがあるため、訪問前に必ず公式ページで確認してください。以下は主要参照元です:松江城公式、八重垣神社公式、小泉八雲記念館、宍道湖夕日スポット案内、松竹撮影所案内。



公式サイトで最新情報を確認してから出発を。
現地事情は変わるので直前確認が安心。
まとめ:史実を辿る旅は“読む”だけでなく“歩く”楽しさがある
『ばけばけ』は小泉八雲と小泉セツという実在の人物を通じて、明治期の文化交流と個人の暮らしを紡ぐ物語です。松江を主舞台にしたロケは情緒ある風景を画面に刻み、視聴者に強い郷愁を残します。この記事を旅の下調べや聖地巡礼プラン作成に活用していただければ嬉しいです。訪問の際は公式情報を確認し、地域のマナーを守って楽しんでください。



ドラマを“観る”→“訪れる”で何倍も楽しめる。
松江の風景があなたの想像力を豊かにしてくれるはず。







