2025年10月にスワン彗星(C/2025 R2)が日本で観測可能に。見頃は10月18〜21日、日没後の南西低空。大阪・東京のおすすめスポットや観測のコツを詳しく紹介します。
新しい宇宙の訪問者「スワン彗星」
2025年秋、夜空に長い尾を引く**C/2025 R2 SWAN(スワン彗星)**がやってきます。9月11日に発見され、近日点(9/12)通過後に明るさが増加。日本でもいよいよ10月中旬から下旬に観測チャンスが到来します。

・2025年9月発見の新彗星/9月中旬に太陽最接近
・日本は10月中旬〜下旬に好機


まず押さえる基本データ
- 名称:C/2025 R2 SWAN(非周期彗星/公転周期2万年以上)
- 近日点通過:2025年9月12日
- 地球最接近:2025年10月20日(約0.261 au)
- 予想最大光度:〜4等級前後(暗所なら肉眼可/双眼鏡推奨)



・見える明るさまで上がる可能性
・ただし彗星は変動しやすい=双眼鏡が安心
日本での見頃はいつ?
10月中旬〜下旬が狙い目。特に10/18〜21は最接近前後でベストです。出現は日没直後〜20時頃までの短期決戦。



・17:00頃〜20:00頃の間に勝負
・時間が遅くなるほど高度はやや上がるが、沈むのも早い
方角と高度(全国共通の目安)
見えるのは南西の低空。高度は**地平線から約10〜20°**で推移します。視界を遮る建物や樹木があると厳しいため、開けた場所を選んでください。



・方角=南西/高度=10〜20°
・地平線が広く見える 開けた暗所が必須
10月21日の“特選条件”
- 観測時間:日没直後〜20時頃(東京の日没目安17時前後)
- 月齢:**29.1(新月直前)**で月明かりの影響ほぼなし
- 同時イベント:オリオン座流星群の活動期/別彗星の出現の可能性



・新月期×流星群=空が暗く、条件が“最上級”
・双眼鏡+三脚があると尾の描写が段違い
関西・大阪でも見える?(見えます!)
大阪・関西でも観測可能です。見やすいのは10/18〜21の17:00〜20:00ごろ。方角は全国と同じく南西の低空(10〜20°)。**光害の少ない“開けた場所”**がコツです。



・市街中心は光害が強い=郊外・河川敷・高台へ
・双眼鏡推奨(4等級前後でも都市光で埋もれやすい)
大阪の観測目安(要点)
- 期間:10月中旬〜下旬(最適 10/18〜21)
- 時間:17:00〜20:00
- 方角/高度:南西 10〜20°
- 明るさ:〜4等級前後(暗所で肉眼可見、双眼鏡が確実)
- 場所の条件:建物・山に遮られない南西の地平線/光害の少ない暗い所
大阪近郊のおすすめスポット(表でサッと確認)
スポット | 所在地・アクセス目安 | 南西方向の視界 | 特徴/注意点 |
---|---|---|---|
淀川河川敷(各所) | 大阪市〜守口市など広範囲 | ★★★★☆ | 遮蔽物が少なく広い地平線。街灯の少ない区画を選ぶ/足元灯必携 |
大阪府民の森 ほしだ園地(交野市) | 京阪交野線「私市」方面 | ★★★★☆ | 展望台や高台から広い空。駐車場・歩行ルートの安全確保を |
南港周辺の海沿い(ATC外縁・舞洲エリアなど) | 大阪南港/桜島・此花方面 | ★★★★☆ | 海に開けた南西視界。風が強い日あり=防寒・防風を |
生駒山・金剛山系の高台 | 東・南東外縁の山地 | ★★★★★ | 市街地光害が減って暗い。夜間の山道は安全最優先で |
泉南・阪南の海岸線 | 関空以南の海沿い | ★★★★☆ | 地平線近くまで暗い空が期待。潮風・塩害に配慮して機材保護 |



・“南西”に抜けの良い場所を選ぶのが最重要
・安全(足元・帰路)と防寒の準備を忘れずに
東京近郊の参考スポット(比較用)
- 城南島海浜公園(大田区):南西に抜けた海沿い。光害少なめ
- お台場海浜公園(港区):駅近で視界が広い。夜景+彗星も狙える
- 国立天文台(三鷹):周辺は落ち着いた暗さ。イベント日程に留意



・都市中心は不利=海沿い・郊外が楽
・三脚を立てやすい平坦地は撮影に有利
機材と探し方(迷わないコツ)
- スマホの天文アプリ(Sky Tonightアプリ)で C/2025 R2 SWANを検索し、画面の矢印誘導で方角合わせ
- **双眼鏡(7×50/10×50)**を基本装備に。三脚アダプターがあると長時間でも楽
- 広角レンズ+固定撮影から始め、見つけたら望遠側で尾を狙う



・アプリで“場所と高度”を即確認
・双眼鏡→広角→望遠の順で段階的に
当日の“天候×安全”チェックリスト
- ☑ 高層・中層雲の予報/透明度(湿度・霞)
- ☑ 地平線方向に雲が溜まりやすくないか
- ☑ 風速(海沿い・山間は体感温度が下がる)
- ☑ 帰路・駐車の安全/ライト・反射材



・天気>機材。雲一枚で全て台無し
・新月期でも低空の靄に注意
どんなふうに見える?
暗い場所なら4等級前後で、淡いコマと短い尾が双眼鏡で捉えやすくなります。都市部では光害で薄れやすいため、郊外へ一歩が“見える/見えない”の分岐点に。



・“肉眼の初見”は暗所がカギ
・双眼鏡で尾の伸びや核の凝縮が分かる
よくある失敗と対策
- 低空の障害物:到着後に方角合わせ→実はビルで見えない……→昼間にロケハン
- 残照に埋もれる:明るさが落ちるまで待たずに見失う→18時台後半〜19時台も粘る
- 防寒不足:集中力が切れて撤収→手袋・ネックゲイター・カイロ



・10月夜は油断禁物の冷え込み
・“20時まで”の短期戦でも冬装備
関西・大阪向け要点の再掲(超コンパクト版)
- 最適日:10/18〜21
- 時間:17:00〜20:00
- 方角/高度:南西/10〜20°
- 場所:淀川河川敷・ほしだ園地・南港海沿い・生駒/金剛の高台 など
- 装備:双眼鏡+防寒+アプリ



・南西の低空が抜けている暗所を最優先
・双眼鏡が“成功率”を劇的に上げる
彗星+流星群+新月のトリプルショー
2025年10月20〜21日は、スワン彗星だけでなく他の天体イベントも重なります。
- **レモン彗星(C/2025 A6)**が西北西の空に出現
- オリオン座流星群が極大(1時間に20個前後)
- 新月直前で暗い空が広がる
これらが同時に見られるのは極めて珍しく、まさに天文ファン必見の夜です。



・彗星×流星群×新月のトリプルイベント
・数十年に一度の好条件
・写真撮影や観測の絶好機


まとめ
2025年のスワン彗星は、10月中旬〜下旬に日本で見頃。特に10/18〜21は最接近前後で、日没〜20時の**南西低空(10〜20°)**を狙えば好機を逃しません。新月期で空が暗く、大阪・関西でも十分チャンスがあります。



・全国:10/18〜21の17:00〜20:00、南西10〜20°
・大阪:郊外・河川敷・海沿い・高台=成功率UP
・4等級前後予想→双眼鏡必携/天候と安全を最優先