京都の夏を締めくくる伝統行事五山送り火(ござんのおくりび)。幻想的な火文字が夜空に浮かび上がるこの行事は、お盆に帰ってきた精霊たちを見送る儀式でもあります。
本記事では、2025年の開催日や点火時間、点火の順番や概要、五山送り火の魅力を詳しくご紹介します。鑑賞スポットについては別記事でご案内予定です。
京都五山送り火2025はいつ?開催日と時間をチェック
京都五山送り火2025の開催日は、例年通り2025年8月16日(土)です。
最初の点火は20:00の大文字からスタートし、5分おきに他の山が点火していきます。
【点火スケジュール】
順番 | 山(文字) | 点火時間 | 備考(主な場所) |
---|---|---|---|
1 | 大文字(如意ヶ嶽) | 20:00 | 銀閣寺・鴨川付近からよく見える |
2 | 妙・法(松ヶ崎) | 20:05 | 北山通・出町柳などから見える |
3 | 船形(西賀茂) | 20:10 | 賀茂川北側、西賀茂橋付近 |
4 | 左大文字(大北山) | 20:15 | 西大路通や金閣寺周辺 |
5 | 鳥居形(嵯峨) | 20:20 | 嵐山・渡月橋・広沢池など |
点火は天候や気象条件によって多少前後する可能性がありますが、全体としては20:00〜20:30頃にかけて約30分間の行事となります。
点火の順番と意味|大文字から鳥居形までの流れ

最初は大文字。送り火は5つの山で順に点火され、精霊を送る大切な儀式です。
京都五山送り火は、以下の5つの山に大きな火文字や図形が灯されます。
- 大文字(如意ヶ嶽):大の字が東山に浮かび上がり、最も象徴的な送り火。
- 妙・法(松ヶ崎西山・東山):妙、法の2文字で対になり、仏教の教えを表す。
- 船形(西賀茂船山):仏を乗せてあの世へ運ぶ船を模しているとされます。
- 左大文字(大北山):大文字と同じ大の字ですが、西山に位置します。
- 鳥居形(嵯峨曼荼羅山):鳥居の形をしたユニークな送り火で、神道的な意味を含みます。
送り火の順番は、霊が現世から冥界へと帰っていく流れを表現しているとされ、
仏教的・神道的信仰が融合した京都ならではの行事です。
京都五山送り火の意味と歴史|静寂のなかに宿る想い



送り火はただのイベントではなく、お盆の供養と祈りを込めた伝統儀式です。
京都五山送り火は、お盆に帰ってきた祖先の霊(精霊・おしょらいさん)をあの世に送る儀式です。
古くは室町時代から続くともいわれており、長い歴史と信仰が根付いています。
京都の夏は祇園祭に始まり、送り火で静かに幕を閉じる——。
にぎやかな祭とは対照的に、五山送り火は荘厳で静かな祈りの時間です。
また、火の扱いに関する厳格なルールや、火床を守る地元保存会の努力によって、
伝統が今も変わらず受け継がれています。
同時に複数見える?タイミングと見どころを解説



20:20〜20:30頃には複数の火文字が同時に見える瞬間も!
点火時間が5分おきであるため、20:20〜20:30頃には複数の送り火が同時に見える可能性があります。
たとえば、以下のようなタイミングです:
- 20:00:大文字点火
- 20:15:大文字が残る中で左大文字も点火
- 20:20:鳥居形も加わり、遠方からなら3つ以上が同時に!
この“重なりの瞬間”を狙って観賞するのも醍醐味のひとつです。
ただし、五山すべてを一度に見渡せる場所は限られており、詳しいスポット紹介は次回記事でご紹介します。
鑑賞時の注意点と豆知識|静かに楽しむのが京都流



混雑・交通規制に注意し、静かに鑑賞するのがマナー。ドローンや花火とは異なります。
京都五山送り火は祭ではなく供養儀式です。
そのため、拍手や歓声は禁止。静かに手を合わせ、静寂を大切にしましょう。
また、人気スポット周辺では交通規制や人出の集中が発生します。公共交通機関を利用し、早めの移動を心がけましょう。
さらに、2025年現在は一部スポットでのドローン・撮影機器の使用制限も出ています。観覧マナーには十分ご注意ください。
まとめ|京都五山送り火2025で夏の終わりを見届けよう



2025年8月16日20時、大文字から始まる静寂の火の儀式。夏の締めくくりにぴったりです。
京都五山送り火2025は、
8月16日(土)20:00から大文字を皮切りに5つの山で順次点火される、京都を代表する伝統行事です。
静かな夜に浮かぶ火文字には、古都の信仰と人々の祈りが込められています。
混雑やマナーに気をつけつつ、心静かにこの瞬間を迎えてみてください。